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6月25日15時7分配信 毎日新聞


 静岡県は不眠などの身体的症状を見逃さずに自殺防止につなげようと、NPO法人を含む全医療窓口が精神科医と連携する独自の取り組みを同県富士市で7月から始める。県は厚生労働省に地域自殺対策推進事業として採択を申請中。人口約24万人の産業都市ぐるみでの自殺防止の仕組みは、全国の先駆的取り組みとして注目されそうだ。
 静岡県精神保健福祉センターによると、自殺者の大半が自殺1カ月前以内に不眠や疲労感などを訴え、精神科以外の医師を受診していた。このため同市では、一般的に自殺率が高い年代の35~69歳の市民に、「眠れない」「食欲がない」「だるくて意欲がわかない」の3項目を自己点検できるリーフレットを配布。問題を訴えた市民にまず、かかりつけの医師などに相談を促す。
 市では今年1月から、県と市医師会の協力で一般の医師と精神科医が連携し不眠や食欲低下の症状のテストや専用紹介状も用意しており、取り組みの下地ができていた。
 県では05年の自殺者814人のうち40~50歳代の男性が3割強。精神科の受診に抵抗感が強いことや、この年代の男性の中には医師の指摘に「おれはそんなに弱くない」と反発する人もいるという。同センターの松本晃明所長は「抗うつ剤を飲むだけで自殺を免れることができる。将来は睡眠薬を扱う薬局にも協力してほしい」と話す。
 自殺予防について多数の著書がある高橋祥友・防衛医大防衛医学研究センター教授(精神医学)は「自殺防止のために自治体ぐるみで一般医と精神科医が連携することは珍しく、特に企業城下町の富士市のようなところでは、全国のモデルになるかもしれない」と話している


肝不全

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